誰そ彼(たそがれ)
LEO

薄紅そまる風の道
夕闇せまる草の道

落日の片隅に
佇む人の
瞳に映る翼の模様
羽ばたく視線は
彼方を知らない

澄まして聞こえぬ
その名のみ
凝らして見えぬ
その姿のみ

悲しく夜の訪れに
願いの数ほど
容易く点る窓明かり
星より近く
想うに遠く
優しさを隠して

鈍色おちる草の道
静かにねむる風の道

夜闇の中で
迷う人の
伏せる睫のその先に
朝(あした)の滴が
微かな産声をあげたのに
気づくのは



自由詩 誰そ彼(たそがれ) Copyright LEO 2008-01-19 01:38:53
notebook Home 戻る  過去 未来