小原あき

雪が降っている
ゆっくりと
確実に
地面に
森に
山に
田畑に
人に
犬に
家々に
音も静かに
きちんと降りてくる



そんな様を見ている

景色が
無音の白になる
心まで
無音で白くなる

何も騒ぎ立てるものはない
ただ、皆
寒さに口を閉ざしている

雪が降り続けるのを
何かの儀式に見立てて







そんな幻想を
わたし一人が
生きながら抱いていることを

肩に沈む雪は
不思議そうな顔を残して
消えていく







自由詩Copyright 小原あき 2008-01-16 10:16:54縦
notebook Home 戻る  過去 未来