糸の切れ端
チアーヌ

あなたと二人
倉庫の脇で体を寄せ合って
雪の中
白い息を吐いていた
わたしにもあなたにも
大粒の雪が積もっていた
それでも動けなかった
動きたくなかった

あなたのおかげで
世界にはひどい男の人しかいないのだと
誤解しないで済んだ
あの雪の日が無かったらきっとわたしは

ずっと二人で泣いたね
わたしだけが流した涙じゃなかったから
信じられた
信じる方法を
指先で細い糸を絡め取るように
わたしは

古くなって糸は切れたけど
切れ端をまだわたしは小指に繋いでる







自由詩 糸の切れ端 Copyright チアーヌ 2008-01-09 11:41:32
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