鎖骨




たとえばおれが今夜
習慣にしている夜の散歩がてら
捨てられている、うすぎれた皮を着た羊顔の子供が落ちているのを見かけたら
気まぐれで拾って手をつないで小さな歩幅でスキップをしながら帰ろう
帰り道はどうしてか魔が棲むから
昼間に顔合わせを強いられる人間にばったり出会うかもしれない
もしそうなったらおれは寸分の躊躇もなしにそいつの顔を蹴りあげるだろう
それから叫んでやるんだ汗ばむつないでいる手を握りなおしてから
おれたちの住むここは豚小屋で
放っておくと堆く積もる糞に辟易してはどこまで高く
遠く蹴り飛ばせるかやってみるのが生甲斐なのさと
足なんて何から生えていようと汚れるもんだ
具合もどこだって大層変わりはしないんだと思うね
とりあえず言いたいのは
今眠くて疲れていて
足のにおいが落とせないってこと




自由詩Copyright 鎖骨 2007-12-12 01:58:53
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