キメイラ
マッドビースト


 あなたの俯く姿をみるたびに

 心は境界線を失ってあふれだす

 あふれた黒い気持は夜を覆う翼になって体を飛び出そうとし
   
 白い気持ちは爪を剥いてあなたを捕らえようとする 

 火のような気持ちが赤い蛇の舌になってちらりと揺れる

 逃げて逃げてと何処かで思うが
 
 銀の気持ちが六脚の蹄になってあなたに迫る
 
 異形の心が見えないように

 シャツのボタンを全てかけ

 紳士の笑顔で振る舞いたいが

 この胸の中はメギド 

 もう元にはもどれない

 あなたまで獲りこみそう  

 この心キメイラ


自由詩 キメイラ Copyright マッドビースト 2004-06-16 02:01:19
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