月を狩る
LEO

プラタナスの高い梢の先で
まるい種子が揺れている
風の匂いが蒼くあるのは冬しるし
澄み渡る空気に月は銀色に光る

耳をすませば
眠る者たちの息づかいまでもが
聞こえてきそうな静寂
まだ浅い冬に
白い息はすぐに消えた
うっすら影は足下に
纏わりついて常に共にあり
歩くたび
砂を踏む音と
衣擦れの音が
しゃりり、しゃりり
背中の向こうに
流れてはまた
しゃりり、しゃりり
幼い瞳には煌々と輝く月が
いつも同じ高さであったことを思い出し
斬れない夜を往く

追いかけられて
追いかけて
月が笑ってる
てらてら笑ってる

追いかけられて
追いかけて
影をお供に月を狩る


自由詩 月を狩る Copyright LEO 2007-12-03 23:56:28
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