世間体
ロリータ℃。





ふわり
ほろりと



繋いだ手がほぐれてく




愛情も
憎悪も
変わりはないでしょう



肌の温度は
二人とも同じで
あまりにも心地良いから
惰性などとも言えなくて



生活や社会に
二人の感情が壊されてゆく
愛情と憎悪の
境目すらもわからぬくせに
刺しあった傷口を
私達は冷ややかに
塩をのせた舌で舐めあっている





薄れてく激しさを
私達は傍観している
いつまで続くかわからない生に
ほんの少し怯えながらも


ふわり
ほろりと

少しずつほどけてゆく命の結び目




あなたが死んだら私はきっと狂うだろう



あなたがそこに生きているから
私を毎日を脅かされる




当たり前のようにそこにある
惰性となった等しい肌の温もりに












自由詩 世間体 Copyright ロリータ℃。 2007-12-02 01:36:49
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