徒然 四
鎖骨




 ああ もう
 一日中だって眺めていてえよ
 かわいて固まっちまった顔料みたいなあいつら
 初めは 水のようだったのになあ
 ごまかし にせがおづくりに躍起になって
 おれはかなしい
 かなしいといってやるよ
 幾度もいくつもごたごたと
 色はとかせやしないんだ なあ
 たとえばおまえが四十のからだになったときに
 まだ二十の気持ちをもとうと努めても
 思うようには 心のお空のようにはいかないんだよ
 だからおれもかなしい









 横文字にカタカナでぎらぎら
 いかめしい振りをしていたとおもえば
 今度はひらがなで
 どんな自分にひたっているんだい
 かなしい、かなしいなあ
 どうして誰もいってくれないみたいだから
 おれからひとついっておかなきゃ
 油まみれのおまえはもう何にもとけはしない
 泣いてもわめいても読んでもすがっても
 もう戻れないって











自由詩 徒然 四 Copyright 鎖骨 2007-11-28 23:16:55
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