さいきんことばあそびをすることがすくない
石川和広

いっぴきの魚が 泳いでいる
水 の表面から 雫が
、 、 点と とんで

ぼくからみて
左の方へ
流れていくすじは
   無限の
    きらめき
へと
息絶えていく
ぼくの意志
    か
    わ

ぼくは魚になりたい
銀のひかりを空へ贈りたい
硬い意志を
透明なウロコにして
身を くねらせたいけど

ぼくは魚になるのが苦手な魚
抜き手
もとい
手抜きが苦手
いま
おもったが
なぜ
手が苦いか?
どういうことか
手が苦いときには
汗がふいて 手が滑って 
その
汗が苦くて
中国雑技団よろしく には
ことばの
逆立ちが怖い 強すぎて力む 
のもぼくの属性
である

せつない
正直に言うと
泳ぐのが苦手であり

下手である!
 どれもこれも
   「手」ばかりだ

今おもえば
 苦い手がぼくの驚異 せんりつ
 かくしても
 かくしても
手の内の汗塩のにがりを
 なめて
 なめられることは戦慄
ぼくの旋律

手が
  だらりと下へさがる
下手に出ていたんだろうか、なぜ今になって気づく!
ということは
ぼくは下手人!

下手な人は
つかまるしかないのか?
この悪いことばのくだりを
止められないのか

釣り針にアゴを
  捕えられて
それは
自由に泳ぐ魚であることを
やめる 摂理がみんなに内在して、いる?
 

 生存は競争なの?

 いやや
 
 避けられないの?

 へたな泳ぎが

 遊びと感じられる世界が
 
 協奏をし始める日へ




自由詩 さいきんことばあそびをすることがすくない Copyright 石川和広 2004-06-12 21:24:54
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