サボテンオレンジ
虹村 凌

浅い眠りから目を覚まして
とりあえず煙草に火をつける
目覚めた原因である上の階の部屋から聞こえるベッドの軋みに
苦笑って煙を吐き出す

壊れて下がらなくなったブラインドは
皮肉にも健全なオレンジ色の太陽の光を取り込んでいる

机の上のサボテンのトゲが半分程茶色いのは
一体いつからだったのかも思い出せない
トゲは少しずつ柔らかくなって
ゆっくりと指に沈んでいく

オレンジ色の太陽はゆっくりと高層ビルに溶けていって
僕は再び脳味噌を自閉モードに切り替える


自由詩 サボテンオレンジ Copyright 虹村 凌 2007-11-14 06:14:11
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