クオリア
Rin K



プール前の花壇に
コスモスを見つけて喜んでいた そのくせ
君は、緑色のため池に沈んだ季節を
あまりに切なげに指す
わかってる 
君も、僕と同じ色が好きなんだろう
空のいろ、でもなく夏のいろ
でもなく ブルー
それは、流れる それは
自由な それは、カナタの

   *

海が好きだ、と言ったのは君が先
海があおいとは互いに言わなくて
海が見たい、と言ったのは僕が先

   *

なぎさ
みさき
そんな響きにはドキドキしてしまうと
告白したら
私の名前じゃないよね、と駆けていったひと
寂しいときだけ、それ以上に会いたかったひと
いまもまだ好きですか ・・・・・・ ブルー

   *

振り向きざまに笑いあった瞬間
すれ違った二色のブルー
それぞれの、クオリア 
きれいだね、と まるで
呪文のように ふたり
同じことをつぶやいても
ブルー、瞳が変換するその色は きっと

   *

忘れようと決めたことさえも
忘れてしまったころ
またすれ違う
二色のクオリア
「ありがとう」と「ごめんね」の
水源は同じなんだ











自由詩 クオリア Copyright Rin K 2007-10-03 21:23:02縦
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