銀月と糸電話
プル式

『うれし雨』

この雨は泣いてる雨なんかじゃない
きっとうれし雨なんだ
そうじゃなきゃいけないんだ


『何でも無い一日』

ただひざを抱えて
外を眺めていた
少し肌寒いのは
もう秋になるから
彼に電話をしようか
迷ってやめた
七夕に笹舟作ったの
まだ神様に届かないみたい
そう思いながら電話を見たら
一度だけ「リン」と鳴った


『慟哭』

あたしは泣く
ただあたしの為だけに泣く
風は静かに月を冷ます
あたしは髪を切る
もう昨日の事

『休止』

ジャスミンティを両手に抱えて
女の子みたいだよ
だけどやっぱり男の子
可愛いのに抱きしめられない憂鬱
お茶もう一杯いらない?


『角砂糖と恋愛』

スプーンに角砂糖を乗せて
そうっと紅茶につけるの
だんだん染み込んで
そのうち崩れるの
いつもそう
初めは綺麗なのにね


自由詩 銀月と糸電話 Copyright プル式 2007-09-30 03:03:50
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