澄み渡る冷たい黒い日です。
ひとり森の中を駆け回る僕が歩いてる。
生きるために肺が酸素を取り込んで循環。
今日も呼吸は僕を侵しているようです。
まだ森の中から抜け出せずに逃げている。
姿もない、名もない、ただの影が。
足音だけ一拍遅れて影を重ねてた。
ねぇ、君は誰なの?
いつになれば湖に辿り着けるか皆目見当つかずで。
見上げた黒には眩しすぎる白が差し込んでるだけ。
空に湖はないみたいだ。
僕はまだ何も掴めずにただ捜してる。
魚の啼く声は鼓膜の上を踊っているのに見つからない。
黒揚羽蝶が森の奥へ僕を誘うように泳いでる。
蜘蛛は左の薬指に赤い糸を巻きつけて恋人ごっこ。
今日もまた月が双眸を閉じて夢の中に沈んでしまうんだね。