ひめごと
Lucy.M.千鶴

今は 花屋さんにさえ あるけれど
わたしが子供の頃
すみれは

ひっそりと 一株
人知れず 咲いていました。

そんな すみれを 見つけると
いじめられた
ひとりぽっちの 帰り道も
心優しく あたたかくなった

毎日、毎日、
下校の時に
つつじの 木陰に
ひっそりと咲く
すみれが

誰にも 摘まれてや いやしないか
はら はら しながら
ランドセルを ずり下ろして
確かめたものでした。

強く、
強くと、

すみれが

その場所に 咲いている。

それは、
わたしにとって

とても 

とても 大切な


ひめごと

でした。


自由詩 ひめごと Copyright Lucy.M.千鶴 2007-09-23 20:27:56
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