帰宅
肉食のすずめ

車通りの多い通りのわきで
夏の間履き続けたブリーフをぬいだ
またの間から懐古とか嫉妬とか
潮風や塩素そういう塩っぽいものに
固定されがちなものがごろごろ落ちた
そら高く持ち上げられて弱まった
太陽に照らされ
粒の混じるベージュ色に
発光するのは毎年おなじみのことだった
ぬるい風にまかせるように
いくぶん丸めの形状だったので すと
車道に転がり落ちて予定の消化を急ぐ
車輪に次々踏まれていったそのときだけは
ぱいんとか
めろんとか
聞き覚えのない音を出して
弾けたり潰れたりした

そのまま帰るには具合悪いのだが
ブリーフは手に持って帰った


自由詩 帰宅 Copyright 肉食のすずめ 2007-09-06 21:49:57
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