夏空
わら

空よりは高くはない

ただ、
この丘から見える景色をながめている


「素直にしているの?」

「凛としているの?」


そんな問いかけは
この宙に、あてもなく溶けていく


今の刻ではない

時代の刻


フィルムに収められたように
10年後の景色を思い浮かべる

いや、
いつかのときに
10年前の自分を思い出していたとするのなら
どうだろう?


なつかしさのような感覚が
すうっと胸にひろがってくる

きっと、
時のにおいが
いろんなシガラミを洗い流してくれるからなんだ

そして、
今という時を
どれだけ精いっぱい
駆け抜けていられるんだろうかという
かけがえのなさがこみあげてくる

素直になれることよ

いつかの未来、
ぼくたちは
また、違ったふうに出会えるだろうか?

今を素直に笑って
思い出せるだろうか?


「好きだ」と、
伝えれるくらいに














自由詩 夏空 Copyright わら 2007-08-26 23:11:04
notebook Home 戻る  過去 未来