あきらめたくない
馬野ミキ

あきらめたくない
一つもあきらめたくない
かかとと影を伸ばしてぜんぶ欲しい
二兎追うものは一兎も得ずというのはセコい
可能性という言葉が持つダイナミックさに欠ける
俺は千兎も万兎も追って、せめて四百八十兎は得たい
そう、考えている。

丈夫な体をもち東で、
一つもあきらめなければ花も月も話しかけてくるだろう
そういうことを他人に話しても電波と言われない為には
日々の真ん中でもっと1つも あきらめてはいけない
絶対的にたった一つもあきらめてはいけない
俺は一つも、あきらめたくない
人は制限のなかで生きる
己が作った制限のなかで
鏡とは偽りである
ただの磨いた石にすぎない-



戦争反対にはセンスがない
反米にはキャンプファイヤーの思い出がない
悲しみには自由がない
リストカットには発想の豊かさがない
乞食には水浴びがたりない、ただそれだけが足りない
孤独にはアイディアがない
レイプには強引さがたりない、
路地裏でクロロフォルムで抱きしめてそのままエジプトに空輸して、ピラミッドの頂上で彼女が目覚めた時に一斉に何十万人もの人が歓声をあげ、祝福し
また傍らでベッカムとビクトリアが笑顔でインタビユーに応えているくらいな規模の盛大な結婚式をあげてしまうような、強引な日本男児のビジョンとエッセンスが足りない
レイプには全然強引さが足りてない
レイプには勇気と行動力がたりない

あきらめたくない
一つもあきらめたくない
かかとと影を伸ばしてぜんぶ欲しい
二兎追うものは一兎も得ずというのはセコい
可能性という言葉が持つダイナミックさに欠ける
俺は千兎も万兎も追って、せめて四百八十兎は得たい
そう、考えている
丈夫な体をもち東で、
一つもあきらめなければ花も月も話しかけてくるだろう
そういうことを他人に話しても電波と言われない為には
日々の真ん中でもっと1つも あきらめてはいけない
生活やしがらみを背負いながら、仕方ないと言ってはいけない
絶対的にたった一つも、あきらめては いけない。
人は制限のなかで生きる
己が信じている制限のなかで
鏡とは偽りである
ただの磨いた石にすぎない。


自由詩 あきらめたくない Copyright 馬野ミキ 2004-05-26 14:28:21
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