一寸先は足
黒川排除 (oldsoup)
猿が落とした果実も猿もやわらかい
蔓草ピタリと止まり中二階のある家
連呼して草原の上を吹きわたる
老人生き存え殺風景をかくのみ
霞破る舌なめずりに継ぎ目なし
近眼に花火打ち上げられ水溶
ガムの話カスタネットを打ちつ聞く
蟻の行軍今静かに狂い出す庭師
わがゆめポリエチレンのフタをねじ込まれはないき
田より出でて途切れる道 底から火柱
風前に待ち伏せていたあしあと
何かが石と化し杖となりの滝へ倒れる
村全部とはぐれてうろたえるほど虫の音
矛先の少年は劇を待っている
体温で溶けない土を島と呼ぶ
老婆うなりあう街角は氷山の容器
夕暮れ過ぎて夜になる前の黒猫たち
紙なかなか重ならないかざみどりの雨
日射の浴槽に 湯気なく 外を出歩く湯気
賢者の血を照らす松明向こう岸まで