即興詩会:第3回
ワタナベ

ワタナベ [20:20:39]
お 即興詩会いきますぜー
相田 九龍 [20:21:03]
うぎゃー
相田 九龍 [20:21:07]
うきませう
ワタナベ [20:21:24]
ここからの発言はある程度編集されて投稿されます。では 俺から
ワタナベ [20:22:09]
「翼」 10分間でおねがいします どうぞ

相田 九龍 [20:32:13]
 太陽の塔が何か言ったか。何か言えるのは私達だけだ。風が何か言ったか。何か言えるのは私達だけだ。鳥が何か言ったか。何か言えるのは私達だけだ。
 外国人が街をウロウロしている。私は声を発する。それは鳥の鳴き声に似る。


 私達は飛べない。鳥は飛ぶ。私達は飛べない。風は飛ぶ。太陽の塔は今飛び立たんとしている。私達は飛行機に乗って、外国人に会いに行く。やぁ、おはよう。
 外国人が私に声をかける。それは鳥の鳴き声に似る。
 鳥は飛ぶ。私は太陽を仰ぐ。やぁ、翼が欲しい。

月見里司 [20:32:24]


コンクリートの建物に
雪は降っている
汚れた壁には
固形物が必要だった

空があまりにも濁っているから
電柱で身を縮めていた
鳥の群れが
呻きだし

厚い雲へ
その身を投げ込みだす

雪は降っている

まだ時間がある
奇妙に白い雪と
身投げする鳥と

遠雷さえ
聞こえてくる

そして舞いだす
あらゆる

ワタナベ [20:33:55]
では寸評をば

ワタナベ [20:39:45]
相田さんの作品は惜しいなぁと感じます。
モチーフは2,3個あるかな。
>太陽の塔が何か言ったか
>風が何か言ったか
>鳥が何か言ったか

この太陽の塔が声を発さないというところが活きてこない。太陽の塔=70年代の古き良き昭和の象徴、平和の象徴、科学進歩の象徴、それが、何か言ったか
「何かいえるのは私たちだけ」ここからいろんなイメージが飛び立とうとしているのが感じられるのに、なんだか置いてけぼりにして次のイメージにとんでしまった気がする。

ワタナベ [20:43:46]
月見さんはタイムアップだったんですね。
細かいところをつつくと
固形物
投げ込みだす
がちょっとひっかかります。
ここは固形物であるほかの語を持ってきたほうがより際立つ気がしますし、投げ出すとしたほうが、次につながっていくような気がします。
固形物 としてしまったところが一番失敗だった気がする。

相田 九龍 [20:46:55]
「さぶいぼ」、でお願いします。
ワタナベ [20:47:05]
ww
相田 九龍 [20:47:26]
開始!

月見里司 [20:56:42]
さぶいぼ
 ああ、そうだ、キコちゃん。キコちゃんさ、熱いもの飲める?大丈夫?そう、じゃあコーヒーでも淹れるね。いや、つまんない話なんだけどさ。俺、チョウチョがダメなのよ。いやいや、冗談とかじゃなくて本当に。俺の実家、田んぼとかすげーあるんだけどさ、こないだ実家帰ったときに、なんていうの、水引っ張ってくることろ?うん、呼び方よく知らないんだけどさ、あそこに落ちちゃって。笑わないでよ。飲みすぎたんだよ、ちょっと。んでさ、落ちただけならいいんだけど、なんか片足はまっちゃって動けなくてさ。誰もいなくて。もう明けがただから、じいちゃんとか通りそうなのに全然。で、ちょっと泣きそうになりながら頑張ってたんだよ。夏なのに水冷たくて。もう体とか超寒いの。で、頑張っても頑張ってもダメでさ。誰か通れー、とか叫んでバタッ、と道路に体倒したんだ。空見えるじゃん。夜明けのさ、きれいな空。そこにチョウチョが一杯、ほんとに太陽とか見えなくなるくらい飛んでてさ、もううわぁ、って思って固まっちゃって。そん時のショックで足抜けたみたいなんだけど、それにも全然気づかなくて、ずーっとボケてた。それ以来チョウチョがダメ。全然ダメ。さぶいぼ出る。いや、それだけなんだけどね。コーヒー冷めちゃったわ。ん?どうしたの、キコちゃん。

ワタナベ [20:57:39]
さぶいぼ、
手の甲から肩あたりまで
僕は肩を切り落とす
さぶいぼをたてた腕が転がっている

切り口からみえるぼくの中には
一遍のことばと
夕暮れが広がっていた
公園の砂場でお山を作っていた子供が
母親に呼ばれた気がして
どこかへ帰ってゆく
その後
その子の行方は誰も知られなかった

誰もしらない物語が
僕の中にある
さぶいぼ、
行方不明の子供たちを
呼ぶ母の声

僕は呼ばれた気がして
切り落とした腕をそのままに
声の方へ駆け出す
僕の行方を知るものは誰もいなかった

相田 九龍 [21:01:12]
月見さんの作品は、なかなか面白い線いってる。即興らしく、ねじれがゴゴーっとなってるところがいい。きこちゃんの扱いが、話者も作者ももう一息。
相田 九龍 [21:02:15]
ワタナベさんの作品は、読者にさぶいぼっちゃったところがあって、二重に良い。ラストへの落とし方がワタナベさんらしい安定。良くも悪くも。
相田 九龍 [21:02:46]
どっち選ぶ、となると非常に迷うので、ここは月見さんに一票。

月見里司 [21:04:54]
「金属の日」 時間は十分。シンオウトレーナーのいかいかさんも是非。
相田 九龍 [21:10:55]
 金属の日。かちかちな空を見上げた君が、耳を広げて飛び立つのなら、俺はどうも納得がいかず茶を沸かす。ヤカンに水を注ぐとき、少し昨日のことを思い出す。思い出したはなから、ヤカンはドンドンと速度を上げ、東京に辿り着く。手から滑り落ちる。
 金属の日。おはよう。とてもじゃないけれど御飯は三食食いたい。それは習慣を通り越してアイデンティティに関わる問題だ。誰が俺を呼んだ?俺は呼び声よりもアイデンティティを大切にする男だ。ロックンローラーがロックのために死ぬように。
 金属の日。速度と音の関係を図にしてみた。波線部をよく読んでおけ。あいつからの伝言だ。

ワタナベ [21:15:21]
金属は勤続逃れて
今日は花よと酔い歌う
酩酊した金属からしたたるアルコールは
潤滑油となってさらに金属を加速させる
飲む金属、勤続逃れて
今日は花よ

相田 九龍 [21:20:47]
「かっこいいこと言うために」

月見里司 [21:28:23]
かっこいいこと言うために

男は煙草を吸え
女は手首を切れ
いや、
女も煙草を吸え
痛いのは嫌だから

むしろ男は水に沈め
重りはなんでもいい
プライドとか
家族とか
その辺がおすすめだが
ハードボイルドを気取るなら
ユニクロのパンツはやめておけ

女が水に沈むと
かっこいいより前に
演歌だから
やめたほうがいい
着物はエロいだけだ

ここまで書いたら
男女差別は良くないなんて言われた

じゃあ性別はどうでもいい

ギターを弾いてみろ
汗を流すのもいい
宗教に夢中になれ
愛の告白をしてみろ
臆面もなく
ふられるとなおいい

だが
詩人だけはやめとけ
やめとけって

相田 九龍 [21:30:09]
しゅーりょーーーー

ワタナベ [21:30:17]
まず朝の体操からはじめます
手を大きく伸ばして、すって〜、はいて〜
このときも若干ビリー軍曹を思い浮かべながら
腹筋に力を入れたりその白い歯を見せたりすると
効果的です、歯はいつも丹念に磨いておきましょう
次に朝食づくりです。
朝食はパン食がのぞましい。
ベーグルなんかだとベストです。
ベーグルに玉子焼き
玉子焼きを焼くときはかならずフライパンの上で
躍らせるようにしましょう。
さていよいよ出勤です。
横断歩道の白い部分だけを踏んで渡ってください
階段はひとつ飛ばしに
会社についたらさわやかな笑顔でおはようございます
を言いましょう。
このときも白い歯を見せることが大切です。

工事現場の作業員が
ヤニに黄ばんだ歯で
黒く焼けた肌に汗を流しながら
家で待つ子供や妻のことを思う

そのようなことを脳裏によぎらせてはいけません。
あなたは一人で、この競争社会に打ち勝ち
エリートとしての階段を上がってゆくのです
このまま。

作業員は黄ばんだ歯を気後れすることなく見せながら
先輩からもらったお茶を受け取る
彼には家族がいる
そのために黙々と
アスファルトのいたるところに穴を掘る
この穴がなんのためのものか
なににつかわれるのかもわからずに
ただ穴を掘る

そして帰って、妻の晩酌でいっぱいの酒を飲む
黄ばんだ歯を見せながら妻に満面の笑顔を返す

相田 九龍 [21:31:02]
かっこいいこと
相田 九龍 [21:31:18]
あんまり関係ないじゃん!w>ワタナベさん
ワタナベ [21:31:34]
しらんw

相田 九龍 [21:32:36]
月見さんの作品はー、即興でも「手首切れ」って言葉は僕は嫌いだー、ユニクロのパンツと着物はエロいだけだ、がよかった。

相田 九龍 [21:34:04]
ワタナベさんの作品は、「先輩からもらったお茶を受け取る」ここがかっこいい。なぜだろう、エリートと土木を対比すると土木がかっこよくなるのはなんでだろ。焼酎もかっこいい。
相田 九龍 [21:34:43]
ワタナベさんに一票したいところだけど、題の活かし方を優先で月見さんで!

月見里司 [21:37:11]
お題「十四時」 ここから十分。

相田 九龍 [21:45:06]
 ライフ。歩く距離を数えていくことをなんと呼んでもいい。誰かが歩いた足跡を辿って、それで幸せなヤツもいるくらいだ。ライフ。時計の文字盤から目を離すな。
 葉露を綺麗だと思う心がライフ。昼下がりは有名人よりも大切。雨が上がれば散歩をしたい。虹を二時に見られたら少し得をした気分になるヤツ、それこそがライフ。透明を探せ。垂直に動くものを探せ。
 子供たちがジャンプ。球体の上で私達は生きている。夏休みは有効に使え。太陽を見透かせ。足跡を見ろ。
 そら、お前は時間を愛おしく思う。時計の文字盤が愛おしくなる。二時ならある。でもそこにはないものが昼下がりにはある。ライフ。透明を探せ。

ワタナベ [21:47:02]
ことばの上を流れる小川のせせらぎが
ふとイメージとしてぼくの前にたち現れるとき

十四時、の上を流れてゆくイメージは
無味乾燥でぼくの前にはたち現れてこない
だが月日はどんどんと十四時へ流れ込んでゆく
昨日歩いたアスファルトの感触
強い日差しを避けるキャップをかぶって
自転車で漕いだ木漏れ日の中
ふりくるせみの鳴き声
学校のセメント越しに香ってきた塩素の匂い
と、子供たちの歓声
もくもくと立ち上がる入道雲と
とつぜんの夕立
その匂いや手触り、音が
どんどんと十四時にながれこんでゆく
僕の前には十四時の上を流れる小川のせせらぎしか
聞こえないが、十四時は何度も繰り返す
僕が望もうと望むまいと

月見里司 [21:52:48]
相田さんの作品は、悪くないんですがどこか手癖感。小気味いいんですがもう一歩潜りに来て欲しかったかもしれません。ワタナベさんの作品は、苦戦はしていて、勝利もできていない印象もありますが、題と一生懸命戦っている感じがします。

戦い方の差でワタナベさんに票を。
ワタナベ [21:53:18]
にっしっし
相田 九龍 [21:53:26]
んがーw
相田 九龍 [21:53:34]
手癖万歳!


散文(批評随筆小説等) 即興詩会:第3回 Copyright ワタナベ 2007-08-09 22:00:57
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