まっすぐ
佐々宝砂

ぼくはおおむね
ぐるぐる車を回すネズミみたいに
生活しているが
好きでやってるわけじゃないんだ

言い訳しているんじゃない
言い訳じみてきこえるだろうけれど

昨日と違うことをやりたいんだ
昨日と違うことをやってのけたいんだ
昨日と違うことをやっちまって
後悔する羽目に陥るだろうってミエミエでもね

そう きみの言うとおり
一人で帰る部屋は暗いよ
当たり前だ
あかりを点けといたら電気代がもったいない
地球にも優しくない

そう そう思ってぼくは
昨日の夜
あっためないでレトルトカレーを食ってみた
電子レンジのチン!はなしだ
電気代はタダだ
地球にも優しい

シオラレオネの子どもの食事よりうまいと思うが
冷たいレトルトカレーと半端に温かいメシは
ぼくの舌にまずかった
それでもそのときぼくは一昨日と違うことをした
それでひとまずぼくは満足したんだ

で 今日
ぼくはまた昨日と違うことをしようって思い立った
実を言えば今日突然思い立ったわけじゃない

ぼくは
待つのが嫌いだが
待たせるのも嫌いだ

まっすぐに質問するから
まっすぐに答えてくれ

今夜
ぼくと一緒に過ごしてくれるかい?


自由詩 まっすぐ Copyright 佐々宝砂 2007-08-03 02:50:55
notebook Home 戻る  過去 未来