濁流
shu

ココハドコダ

雨が降っている
気持ちいいぞ
もっと降ればいいと
空を見上げて

太陽はあまりにまぶしくて
手をかざすと色が失せ
黒い輪郭に透けた悲しみが揺れる
だから
かざす手など要らない
影など要らない
雨でいい
知らん振りした
透明な雨に打たれて

イクツモノ
アイヲコロシタ

おれの中に沁み込んで
優しいフリをする記憶なんか
そっくり地面に
流れてしまえばいい

緑が霞む
花が霞む
おれもかすんで

雨になる

じっと耳を澄まそう
さらさらと優しく
時に叩くように
痛みを伴って落ちる音
轟々と流れる音



ココハ
オレノナカヲナガレル
ナツカシイ カワ



汚れた

川 だ

その深さを




おれも知らない






自由詩 濁流 Copyright shu 2007-07-23 18:11:28
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