水観
shu

清涼なる川面に素足を浸し
そろりそろりと踏みゆき
冷やかな感触を足裏に楽しむ
風の音や遠く聞こゆる鳥の囀りは
せせらぎに紛れ
やがて胎内に居るかのような
懐かしい静寂の音に包まれる

小魚木漏れ日に誘われ
温床のたまりに戯れ
青き空を映す水面に小さき唇を寄せる
さわさわと揺れる黒き木陰
音もなく落ち往く枯葉
突如樹雨が降り注ぎ
すわ散りまた集う稚魚の群れ

水 留まれば濁り
流るれば 即ち清し

滔滔と流る
大海の如き水流に
やがて一匹一匹と放れゆく

流れるままに
いのち閃かせ





自由詩 水観 Copyright shu 2007-07-21 18:33:14
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