欠落
おるふぇ







足りないものが多すぎて
失くしたものが多すぎて
僕には分からないんだ








急に空が晴れて
そう思ったら曇って
変な天気が続いているよ

息してるんだな
そうでもないかな
誰も入らない部屋でも
笑顔とか悲しみとか
感じることができる

じっとしているんだ
動いたら
壊れそうで
狂いそうで
時計の
短い針と
長い針が
交差する時間が来るまで
窓を開けずにいよう






愛しいものが多すぎて
憎しみすらも失くしてしまったよ
寂しいことかな
それでもいいかな
誰かに聞きたい
でも聞けない






恋と書いたノートに
涙を落としていた

誰かが願ってる
もう一人で生きていくことがないように
それすらも嘘に消えないように






世界ってね
ちっちゃいんだよ
こうして忙しく過ぎる時間が
知らず知らずのうちに
どこかへ流そうものなら
ちっちゃすぎる世界すら
忘れてしまいそうだよ



(ねえ、
 なんなの?)


(なんでもないよ

 それはきっと


 きっとね)







人間じゃないものに憧れる人間が多すぎて
動物とか植物とか海とか空とか光とか
そんなものになれない人間が多すぎて
痛々しい



それも好きでいられる?






雑然とした
漠然とした


そんなもの






僕には


何かが



欠けているから


それが分かるまで


生きているから









自由詩 欠落 Copyright おるふぇ 2007-07-14 13:55:16
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