フラグメント
もりおかだいち

父の今は亡き知人の一節を借りました
ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
ゆらりゆらりと
朝のメルヘン
たびからたびの
たびからたびへ
百万光年も
二百万光年も
神のためにその石は削られ
深い傷を負った陰影を語り継ぐ
忘れさられた朝の神秘に

あなたは
無傷の言葉の影響を信じ*1 
眠りつづける祈りのように
魂の意味へと静かにちかづく

ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
それは
美しい構築をうしなった
ながれゆくメロディ
もうずっと
殺されつづけるだけのひかりではない
震えるくろがねの切先にとどまり
いのちそのものの輝きをめざした
純潔な逆光
、ただひとつ

あさのきせきに
宿してしまった
うぶごえのかなしみ

あるいは
いつまでも僕はそれに触れていよう

〜グラスの底の羊水の永遠に
 祈られた静寂が投げかけられると
 メメント・モリ
 敬虔な朝のメルヘンがゆっくりと反響している〜

すると
そのように
ひとつのあさ
ひそやかに
まどぎわに置かれた
花の余生が
とても美しい


    
    
    


*1 父の今は亡き知人の一節を借りました



自由詩 フラグメント Copyright もりおかだいち 2007-07-07 00:49:02縦
notebook Home 戻る  過去