フラグメント
もりおかだいち
父の今は亡き知人の一節を借りましたハローグッドバイ
ハローグッドバイ
ゆらりゆらりと
朝のメルヘン
たびからたびの
たびからたびへ
百万光年も
二百万光年も
神のためにその石は削られ
深い傷を負った陰影を語り継ぐ
忘れさられた朝の神秘に
あなたは
無傷の言葉の影響を信じ*1
眠りつづける祈りのように
魂の意味へと静かにちかづく
ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
それは
美しい構築をうしなった
ながれゆくメロディ
もうずっと
殺されつづけるだけのひかりではない
震えるくろがねの切先にとどまり
いのちそのものの輝きをめざした
純潔な逆光
、ただひとつ
あさのきせきに
宿してしまった
うぶごえのかなしみ
あるいは
いつまでも僕はそれに触れていよう
〜グラスの底の羊水の永遠に
祈られた静寂が投げかけられると
メメント・モリ
敬虔な朝のメルヘンがゆっくりと反響している〜
すると
そのように
ひとつのあさ
ひそやかに
まどぎわに置かれた
花の余生が
とても美しい
*1 父の今は亡き知人の一節を借りました