「横恋慕喫茶ランデヴー」にはエシェロンも無い
虹村 凌

着信履歴がお前の名前で埋められてゆく
昔の事が頭を過ぎり苦しくなって俯く
全てを無しにしたがってたのはお前だったのに
泣き叫んで全てを無しにしたがったのはお前だったのに

膝が笑い始め力が抜けてゆく

振り解こうと抗い頭を上げた先に見えるのは
知らない誰かの顔と知らない誰かの顔
そして知らない誰かの顔
好奇心に満ち満ちた悪意の目

シェリー
雑木林の恩恵
リンダでさえ言ってくれなかった事を
シェリー教えておくれ
知らない所で人に出会ったらどうすればいい?
シェリー教えておくれ
どうすればいい?

後ろ髪を掴む不安材料を掻き消す爆音は
知らない誰かの神経を逆撫でする
許して下さい
許して下さい
許して下さい
今にも腰が砕けてしまいそうです
泣いて許される事なら幾らでも涙するから

ラバーソールを履くのは
地に足がついていない事を見せたいからじゃない

ラバーソールで踏み出す一歩
向かう先は横恋慕喫茶ランデヴー
エシェロンも何も無いその店内でなら
何を言ったって構いやしないだろう


自由詩 「横恋慕喫茶ランデヴー」にはエシェロンも無い Copyright 虹村 凌 2007-07-02 13:30:24
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