五時のチャイムがなる頃に
虹村 凌

聞いてくれ
素直になれない大馬鹿野郎の話を
馬鹿だといって笑ってくれてかまわない
だけど聞いてくれ
素直にならずにやってくのは
案外肩が凝るみたいだ
腹筋も内股の筋肉も痛くて仕方無い
それでも
クーラーの効いた部屋で
少しだけ眠らせて
あと三十秒だけでいいから

声が出てるのはわざと?

帰りたくなんか無かった
夕暮れがあなたの部屋のドアをノックしたけれど
五時のチャイムが鼓膜を何度もノックするけれど
帰りたくなんか無かった
帰る場所から帰るって何処に帰ればいいんだ
自転車の鍵も返さなきゃよかった
帰りたくなんかなかった

ドアが開いてしまる
鍵をかけ忘れてきた道をくるり

秘密だらけのインアンドアウト
窒息寸前
鍵をかけ忘れたのはわざと?
顔を背けたのはわざと?

どうだってよくない
だから聞いてくれ
俺は本当に帰りたくなんか無かったんだ


自由詩 五時のチャイムがなる頃に Copyright 虹村 凌 2007-07-01 00:43:24縦
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