恋月 ぴの

こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる

洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた

防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた

はにかみ屋さんで
口下手で
もっと自信持てばってけしかけたよね

肩にだって触れてくれなかった

五月病はなんとかやり過ごしたけど
ひとり暮らしの夏空は
あまりにも眩しくて

卒業式の前の日だったかな
港を出る漁船に
はしゃぎなら
手を振ってみたりしたよね

泣きながら水平線に沈む太陽も
朝になれば
何も無かったように
山あいから顔を出してくれる

そうなんだけどね

遠浅の浜辺みたいな
この街で

抱きしめて欲しかったよ

ぬるま湯のような
それでいて
氷水のような身を切る冷たさに

帰る場所さえ見失ったままで



自由詩Copyright 恋月 ぴの 2007-06-27 22:32:52縦
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