真夜中に沈む月
LEO

続いた雨の音階は消え
訪れた静かな夜
問うこともせず
答えることもなく
過ぎてゆくだけの影に
狭くなる胸の内

満たしていたもの
耳に慣れた雨音と
肌に馴染んだ湿度と
それらの行方をさがして
暗闇に預けた瞳の端に
光るものがある

薄れゆく雨雲を分かち
天の星、月明かり
雨の滴は夜光となり
無言の夜に点される
か細き光明は
この胸元にさえ届けられ

私もまた
ひとつの夜光となる
眠れぬあなたも
ひとつの夜光となって
互いにひきあう
その片隅で
月は暮れかかる


自由詩 真夜中に沈む月 Copyright LEO 2007-06-26 22:44:13
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