さかいめ
床野トイツ

ガラスのそとはあらし
あらしのなかのみどり

義理の父母が使っていたという部屋は
揺れると天井からヤスブシンが降ってくる

容易に眼が利かなくなってしまって その葉が
いきものかにせものかもわからず

触れてみてようやく ひややかさに
いのちがあることを知らされる

どうしてきれいに死ねるとおもったんだろ
はりつめたさかいめのすぐむこう
こんな濁流が流れているのに


自由詩 さかいめ Copyright 床野トイツ 2007-06-22 10:55:14
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