徒然ー「夜半」
ワタナベ

今夜半からの雲に覆われた月の光は
それでも雨粒に溶け込んでアスファルトにあたるたびに
ぴんと張った鼓膜をゆるやかに振るわせる音で
うずくまった街並みの背中をそっとなぞっていくから

さみしさは、目のずっと奥のほうで鳴るノイズ
誰もがぬぐうことさえあきらめてしまって
じっと耳をすますと
淡い月の光の
その音

すいこまれてゆく


雨の降る夜


自由詩 徒然ー「夜半」 Copyright ワタナベ 2007-06-09 06:44:39
notebook Home 戻る  過去 未来