おっぱい(天)
渦巻二三五

娘の胸が次第にふくらんでいくのを
心ひそかに嬉しく思っていた。
と、母が告白する
だけど、ついには大きくならなくて
ちょっとがっかり。
などと、母め

シャツのボタンを上から順に
はずしても
はずしても
すっきりと月のようだ
鏡の前で、わたしはもう
生々しくはない

自分の乳房を「おっぱい」と
呼ぶことも呼ばれることもなく
わたしはもう、お月さまのような胸だ
ひんやりと気持ちよい


自由詩 おっぱい(天) Copyright 渦巻二三五 2007-06-07 12:00:10縦
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