yubisaki
はらだまさる





     しうしう、と

沈黙する。 アシッドに。
並んでいる  夜が逃げる、
山羊の、惰性と  六月。
 女の乳房を噛む弦、
  GとFを繰り返す
    挑発的に。

 海だ。
陽射し、
読谷村の職人、
波照間島の潮騒、
ウルワトゥのケチャが
  ビジョンして、
   サウンド
      する
。錆の
泥濘に、
 指を突き刺して
 君たちは指先をう
  しなう。こうしよう
   じゃないか、あの空
岩間   に連れてゆく眼差し
に朽ち果てる  その炎と
 鵺。森全体が
 ぬらぬらと揺れる
  しうしうと啼きながら
   ハアプシコオドの梦、
手拍子、 また梦が数珠繋ぎに
 リズム  うしなったものさえ
茶色の、海   きづかない。
 オリッサの、海。
  ぼくらはおおきな
餃子、おおきな波に飲み込まれ
ビール、 東から西を、全部笑い
それだけで 北から南を、笑った
宇都宮を満喫。 千年の、無力で
 できるわけないだろ
風があんなに美しい町で
沈黙する空に憧れずに
 ポエトリー・リー
 ディングする。
  白髪交じりで、
  黄ばんだ歯を
   こぼしながら
    うしなった指先で
      尚も繰り返す、
        アシッドに



      アシッドに。


サウ
ンド、ビジ
ョン、サウンド、
 ぼくらは
  しうしうと啼く
 鵺のように
  重なり合い、
   溶け合い、
    奪い合い、
     憎み合い、
  それでも 寄り添い、
   音楽を奏でる。
    しうしう、
     しうしう、と
      アシッドに。

       夜が逃げる、
         六月。











自由詩 yubisaki Copyright はらだまさる 2007-05-31 22:01:17縦
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