アッシリアの娘婿
不老産兄弟

あの村にはろくでなしだ
地底深くに妖怪の存在を隠した
穴だらけで前が見えないムジナの巣窟を進むと

回転寿司のおかげ様 回転の好きな神様
こんな歌が聞こえてくる
歌につられてふらふら行く
するとこの世のものとは思えない
寿司屋のようなものがあった

旅の門出に寿司を食うもの
旅の途中で腹を空かせているもの
ねぎらいを込めて寿司を御馳走したがるもの

回転寿司はスパイラルに新たな幻想を生み
俺は死の淵をさまよい歩く

金の皿は500円 銀の皿は400円
無数の牧師達が一寸法師のようにどんぶらこと流れる様は極めて愉快であった

私(ワタクシ)はのれんをくぐると
変な人が立っていた
へいらっしゃい
昔はこの辺りにも寿司屋があってね
なんて言うので
ああそうですかあなたはきっと疲れているんでしょうと言った


自由詩 アッシリアの娘婿 Copyright 不老産兄弟 2007-05-30 02:00:29
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