夜と雨に関する手紙vol.1
マッドビースト


 この寒い雨の夜に
 独りなのは自分だけと
 君は悲しんでいるだろうか

 今夜は僕も独り
 仲間も別れ
 部屋にいる
 
 昼には歌う雲雀も
 今は
 雨に打たれ巣にうずくまっているだろう
 
 群れて咲く躑躅の花も
 背を向け合い花を閉じ
 光が射すのを待っているよ

 なによりこの雨雲も
 海より別れた寂しさ
 だから泣く

 この夜の薄暗さは
 その雨雲に分かたれた月が
 空に独り寂しさながらに照らすから

 僕も今夜は独り
 じっとして 
 君に会える次の朝を待っているよ
 
 僕らには毛布も傘も
 なんなら携帯電話もあるけれど
 小さな痛みに耐えるべき夜は
 きっとそういうものでは補えない充実感を
 次の朝日に混ぜてくれると思うから  


自由詩 夜と雨に関する手紙vol.1 Copyright マッドビースト 2004-05-09 20:34:39
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