印象派
はらだまさる




おおむぎの穂が、ゆれてる
ひかりやかげに、ゆっくりとけて
ぼやぼや、いまにもきえてしまいそうなくらい
クロード・モネのえ、みたいに
ぼくら、ぼやぼやしている


ぼくら、相田みつをのすごさをしらないだけで
つやつやした黒ねこのなき声には、とかくびんかんで
庭にさいた、たんぽぽのわた毛みたいに
こどものといきで、吹きとばされるくらいに
あまりにもよわよわしく、すぐにゆがんで
すぐにこわれて、ぼやぼやぼやぼや
たな田のみずかがみに、うつるみたいに
ぼやぼや、してる


はれ、からさつきばれへ
きちょうめんな、れきしを
引きずりながら、とおくへ
あしたへ、あさってへ
Cげん語も、ぜんぜんよめんし
キャドも、つかったことないねんけど


エンジニアの、うえ野さん
てん開され、ミクロまですうち化された
きかいせっけいの図めんは、よめるみたいで
けど、こんなにふんさいされたかなしみは
それなりのそう像力がないと、よめんな
と、く笑して読めへんヮざん念やけど
と、ぎじゅつ屋さんらしいやさしさで
それより、けさのニュースの話
あきれたいかりを、ぶちまけるけど
しゃかいほけん庁の、杜撰さには
ぼくら、どんかんで


ぼくら、ひかりやかげに混じって
やわらかで、雨の日よりぼやぼやしてる
おとといよりも、きのうよりも
どうにも、ぼやぼやしてる


こがんどう路を、はしる
近江富士も、黄砂のおかげで
ぼやぼや、ぼやぼやして
そやけど、ほんまええてんきやな
おおむぎ畑、こがねいろの
ナウシカ、みたいに
そら、とんでる
みたい、やな


ぼやぼや、してるけど
ぼくら、きえてしまいそうやけど
きえてしもてもええかな、っておもえるくらいに
つちのにおいが、かぜがきもちよくて
ひかりやかげが、あざやかで
おおむぎの穂が、ゆれて
葦原が、かがやいて
睡蓮が、しずかで





ビール、のみたいなぁ







ぼくら、ひゃくねんまえへ
めいっぱい、スピードをあげる














※水在らあらあ氏『夕日』を読んで
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=119333




自由詩 印象派 Copyright はらだまさる 2007-05-24 21:21:29縦
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