kiss in blue
さくらほ

沈めて
と願ったその刹那
更に深い夜はやってきて
静かな音を立てて流れていく砂時計
目に見えて時が落ちていく

君の指で触れられたうなじが
私の指先までも痺れさせ
それを悟られぬように
くすぐったいと笑ってみたけれど
熱を増してゆくその頬も耳も
嘘をつけない

私たち以外に音を立てるものもなく
揺れるものないその夜の片隅
麗しい紫陽花の青が浮き上がり
言葉を失った私たちを昼間と違う顔で見ている
見つめないで
上手に忘れる事が出来なくなるから
初夏と君と闇に
このまま酔いつぶれてしまいたい

今日が昨日になるその時に
抱かれた両の肩が
行く先を失って



バイクにまたがり
明日は晴れるねと
去っていく君
5月の風


自由詩 kiss in blue Copyright さくらほ 2007-05-24 17:18:09
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君の歌