生まれてみたい
千波 一也

生まれて
しまった後ならば、
二度と
生まれて
いけないだろうかと、
ひとりごとだけ
生んでみる


いくつになっても
守られるから、
さびしさは
無くならない

幼なじみは
そんな厳しさ

寄り添うほどに
なにかが
欠けて


いつだって、
単純な
複雑さを
さまよっていて

もしかしたら
毎日が
生まれたて、

たやすくないけれど
そうであって
欲しいから

もどかしく、
ゆたかな
はざま

転がっている


生まれて
みたい、こどもたち

抱えているのは
かなわない
笑み








自由詩 生まれてみたい Copyright 千波 一也 2007-05-22 21:02:55
notebook Home 戻る