新たまねぎ
佐野権太
きみどりの薄皮をひらいて
瑞々しい透明を露出させる
縦に切っても
横に切っても
どこまでもたまねぎだから
うれしくて
うれしくて
なきそうで
やわらかい切り口に
崩れそうになる
からだ
かろうじて
ささえた
新しくて
まるい、風
五月
自由詩
新たまねぎ
Copyright
佐野権太
2007-05-22 09:19:53
縦