誰も知らないけれど
砂木

介添えの眠るお天気雨
ふくらませたかかと
眼を覚ませば

占いのためにだけ
花を摘めない人がいる

なくした言葉を入れる
風の器は すぐに壊れ
花の行方に問いたかったのに

ここは 食事をするところなのです
蝶や 小さな虫達が
一息の今日のために

あなたの指が
守ったものに代わり

膨らませた幼い翼
露の珠
輝かせて

その泣き声を隠す事も
できないけれど

こんにちは
こんにちは
花の歌を歌いましょう

そっと眼をあけて
どうか 私を見てください

私は 今 あなたが守った花です





自由詩 誰も知らないけれど Copyright 砂木 2007-05-20 14:28:50
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