よんばんめのこぶた
士狼(銀)





抱き上げたら
掌に
血脈の呼吸が当たる
心臓に触れてしまった、
ような気がして

温かい体が怖くなった


白衣の腕に抱かれた眼を
僕は見つめている
境界線から一歩引いた位置で


おまえはまだ、
知らなくていい

口腔で空回る言葉を
舌先で崩しながら
人差し指の腹で
僕の肌と同じ色をした
滑らかな鼻先を擽ってやる
風のように泣いて
眠ったよんばんめ
おまえの兄弟は
僕の足下で
ピンクのヒールを履いて踊っている


携帯写真+詩 よんばんめのこぶた Copyright 士狼(銀) 2007-05-17 22:27:01
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