金色が たおれる 欠伸が 蔓延する
蛙のうた こもる ねむれない 五月 日々の罅に 滲む
ゆううつの 書物 ふあんていの音楽
刺身包丁で 切る 切る ぶった切る
あおぞら におう 琵琶湖に 身篭る
ぼくも 途切れる 、や 。をひろう 水面に比良 浮ぶ
言葉 数限りなく 両手の平 傷つく 目眩めく 極彩色
指 球状に腫れる
棚田を 眺望する 宙ぶらりの ぼく
神々の指紋 読む 静的群島の 地図 信じるため 疑う
軋む歴史を 聴く 点滅を 繰り返す
重金属機械 音楽 ぐるりと なぞる 宙ぶらりの ぼく
チカチカしやがる 宙ぶらりの ぼく
しんぞうが 弱る くるる るうるう
駆けまわる 薫風 舞い上げる 脈拍
ひろがれ 前頭葉 葦ぶえを 鳴らす くるう るうるう
ひだいせよ 民族
ひらけ 矮小な脳 左から右を 貫く 下から上を 貫く
風穴 ぶちあける なま暖かい 空想 三十七度の 微熱
むこう側がみえる おまえの むこう
プラグ 点火する
酸素不足を 補う ゆるやかな 波動 金色の裸の 呼吸
唇で交わす 窒息 黒より深く 眠る