雑誌
虹村 凌

お前を見た時から目玉の奥が痛ぇんだ
ズキズキと
きっとお前の睫毛が入り込んだから
取ってくれねぇもんかな

ぬるりと春の生暖かい風が絡みつく

重い足をひきずって進む帰路の真ん中に
うずくまる
蛙の轢死体が干からびて転がっている
粉々に砕いて煎じて飲んでしまった

どうしたものか雨が降り出したのだ

何かを考えようとする度に吐きそうになる
気分が悪い
何も考えなければ随分と楽になるが
今は目の奥が痛い方が重要だ

舐めて取ってくれねぇもんかな
もうお前の責任だ


自由詩 雑誌 Copyright 虹村 凌 2007-05-02 14:49:51
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