幻影
有扉なぎさ

似ているから好きになった

けれど

仕草のひとつひとつは

全く あのひととは別のもの

同じひとはこの世に存在しない

あのひとはもう 戻ってこない

幻影を追っているだけ

何もないようなところで転ぶ私を

愛しげなまなざしで見てくれる?

「私のこと 好き?」

って聞いても

「そんな馬鹿なこと聞くな」って

同じように答える?

……違うよね

あのひととは 違うよね……


自由詩 幻影 Copyright 有扉なぎさ 2007-04-28 13:10:38
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