こわれた、かぜ
はらだまさる





こわれた、かぜを
かぞえている


とめられないから
ぼくには

ひとーつ、
ふたーつって

やわらかいところから

ふいている
こわれた、かぜを


それで

いまは
さんじゅう、

とちょっと


軽さ、おしなべて優しい優しさ、軽さ弾け、弾ける虹彩軽い軽さ、かわいいよ、年金手帳、なくしちゃった、いたい、いつの間にかひざにできたちいさな痣、あおい、いたい、重さ、重力が増す気がする、ぶっ、階段の踊り場で弾け、弾ける、振り返るきみ、結ぶ、ぶっ、キレイな、ぢゃないや、キレイな蝶ちょ結ぶ、ほどく、ぶ、つかる、弱さに、脆さに、裏切りにぶつ、軽、い、ぷっ、さぁ、飛ぼう、飛べ、飛ぶ、ぶう、きみの顔が美しい、美し過ぎて怖い、ひとが多過ぎて美し過ぎて優し過ぎてぶっ怖いつめた過ぎて、だけど許し過ぎてさあ、飛ぼう、もういいじゃん、ぷっ、



わすれちまえ


ぜんぶ、


ぶっ
つってさぁ

おれたちの

やわらかいところからふく

こわれた、

かぜでさぁ

ぶって


飛ぼうぜ、


いいよ、


こわれてるよ、
かぜが

いくつも

いくつもぷうって
くさいよ、
くさいけど

ちょっと
たのしいから










※Breaking wind…おなら



自由詩 こわれた、かぜ Copyright はらだまさる 2007-04-24 20:00:59縦
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