ノート(こがね めぐる)
木立 悟




吹雪を歩む子の喉を
ぬぐうようにすぎてゆく火
忘れかけた尾のかたち


飛び立てずに泣く夜の
足もとに凍り重なる光
土の底の根を照らす


波も血も笑みも
こがねと涙のふところから
足跡から足跡へ
あふれる


鉛の線が吹雪をたどり
やわらかな火を連れてゆく
唱は帰らない
次の唱が来る


川へ海へ星は流れ
多くの水をめぐりながら
どこにも着けない波を見つめる


数えつづける指
遠のく光を 数え切れない
尾と羽と背を
















自由詩 ノート(こがね めぐる) Copyright 木立 悟 2007-04-01 21:38:25
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