ぽちむ
水在らあらあ





ぽちむは家を出ました
モスクワに行きました
それで売春婦に会いました
自分もなろうと思いました
その売春婦にいくらって言えばいいのって聞きました
売春婦ははっきりしたことは何も言いませんでした
ぽちむは、なんにせよ名刺を作って
もしひどい男だったら
二倍のお金をとらなきゃと 思いました
でも、数日後、ぽちむは、僕たちに電話をしてきました
そして、できなかった、と、言いました
一番初めの客に
かぼちゃとでもしてろって言っちゃったって
あなたたちの国ではもう春風が吹き荒れてるかもしれないけど
モスクワはまだ凍えて
私 キオスクの仕事を探しているの
今朝、私が新聞を買いに行ったら
それはそれは見事な
雪のように白いカリフラワーを紙袋で持っている若者が来て
隣のおばさんが いいわねえ、すてきね、それどこで買ったの
って言って ああ、すぐそこのマーケットで、幾らいくらだって
ああ今日はきっとまた雪が降りますねえって
最近寒いですねえって
僕は最近読みかけのナボコフを火にくべなきゃいけないんですよって
だから私は 早朝から昼にかけてのこの仕事がいいの
だって朝は なんだか澄んでいて
みんな話すから







自由詩 ぽちむ Copyright 水在らあらあ 2007-03-22 08:04:40
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