声/願
石田 圭太




石橋を叩いて割る
君の動きはハンマーで
その働きは引力だ
物体の俺だから
耳を澄ます必要がある/繋ぐ必要がある
手を、手を!
飛行機がブゥゥゥ・・・ん。
超低空でやってくるのは俺達の真ん中にだ
尚更固く手を結ぶのが俺達だから
仲良く手は持っていかれる願いだ
コンセント/バイヴレィション/ヴゥヴヴゥ
疑問符は付けなくて良い
教えてあげる
重心なら初めから狂っているから痛くない
笑顔。
聞こえるだろう/連なるだろう耳を澄ます必要がある
ヴヴ、ん。





街が寝息で埋まる頃
シングルベッドは二人で埋まる
気持ち良いって中では声がする
外には無いもので美しい
君の放つ幾つものシグナル
仮初だろうそれは/無視して渡る
掻き分けて泳ぐ
中には幾つもの新しいシグナル
願いだろうそれは/本当のところ
俺達はそこではめくらだから
善いものとそうでないものの区別は付かない
でも特に襞が良い
俺にはない襞が良いって喜ぶ
跳ねるよ俺は
跳ねるね君もそこが良いって
俺達が身体を登りつめた朝
発熱と冷却はほぼ同時進行だったけれど
それは生まれたときに誰かが死んでいたのと同じで
上手くバランスは取れていたと思う
ごっこなら君は鬼が良い
そういう位置で追いかけるから






自由詩 声/願 Copyright 石田 圭太 2007-03-22 02:04:59
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