創書日和「歌」
虹村 凌

雨宿りのカラオケで聞いた声が
可愛い声だったから
その声が欲しいと思った
緑の日は休日
君の好きな祝日に
テトラポットの先で歌おう

雨宿りのカラオケで歌った声が
可愛い声だと言うから
少しくらい分けてあげてもいいと思った
緑の日は休日
私の好きな祝日に
テトラポットまで行きましょう


晴れた日にテトラポットの上で歌う声が
綺麗な声だったから
その声がもっと欲しくなった
海の日は休日
君の好きな祝日に
滝の側で歌おう

晴れた日にテトラポットの上で歌う声が
綺麗な声だと言うから
少しだけ嬉しくなってうつむいた
海の日は休日
私の好きな祝日に
滝の側まで連れて行って


雨の日の滝の中で歌う声が
これ以上無いくらいに美しく聞こえたから
もう誰にも聞かせたくないと思った
明日は水曜日
僕の好きな日に
好きな物を手に入れよう

雨の日の滝の中で歌う声が
世界で一等綺麗だと言うから
嬉しくなってあの人の家に行くの
明日は水曜日
あの人の好きな日に
何を歌ってあげようかしら


晴れた日の僕の部屋で歌う声が聞こえない
綺麗な声がもう聞こえない
もう誰も聞くことが出来ない
明日は二人の真ん中バースデー
一緒に誕生日を祝おうね
誕生日の歌を一緒に歌おうね

晴れた日のあの人の部屋で歌が歌えない
綺麗だと言ってくれた声が出ない
もう誰にも声を聞かせられない
今日は私の命日
聞こえる歌は南無阿弥陀仏
あの人も一緒に歌ってる


自由詩 創書日和「歌」 Copyright 虹村 凌 2007-03-09 16:09:47
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