眠れ
水在らあらあ







体のことを思えよ
おれの
体のことを

体のことを思うよ
おまえの
体のことを

体がいいから
おれたちの
体がいいから

おまえの肌のきめを
北から南へ愛して
南から北へ逆らって

東から西へ旅して
西から東へ帰る

互いの体を巡礼してまわる
そこここで 湧き出るワインを飲んで
それは星ぼしをめぐる巡礼よりも遠く切ない喜びに満ちている

みぞおちに落ちて
そのくぼんだ静寂に
かなしみを
くれてやる

みぞおちに落ちて
そこに刻まれた涙の海に
歓喜を
あげるわ

手から 足から
わき腹から
額から
虹を噴き上げて果てるおまえは基督よりも神に近い

肌に
色はない
それは地平で
それは彼岸で

巡礼を終えた聖者の
心地よい疲労に満ちた眠りを
俺達は眠る
その二人の創り出した闇に
夢の王の手すら届かない深い深い闇に

おれもおまえも知らない
知るはずもなく
知らなくていい
一番初めにあって
今 世界の果てを疾走する

神がいる










自由詩 眠れ Copyright 水在らあらあ 2007-03-08 08:26:30縦
notebook Home 戻る