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マッドビースト


熱奪う風が吹き付ける道
乾いた街がカサカサと音をたてて
灰色になっていく

コートの中にまで入ってくる冷気が
自分の中の惨めな部分だけを表にひっぱりだそうとする
口を閉じて
自分を抱くように体を屈めて気持ちを押さえつける

日々は耐えることばかりだ
僕の視野は狭すぎて
時間の経過が前進であることを願うしかない
もし同じ辺りを回っているだけだとしてもきっと気づきはしないから

だけれどもそれは不平ではない
少し不安なだけだ

僕にはそれでも笑顔しかない
結局のところ

後に戻る道はだれにも用意されていないのだから

毎朝のニュースは決まって気分を暗くさせる
駅では黒いコートの大人たちが肩をぶつけ合い気にもせず
汚れた地下鉄は大都市の言い訳のようだ

だけれどもそれは不平ではない
そんな淋しさは社会が共有する微熱のようなものだから

僕にはそれでも笑顔しかない

無理にではなく
日々に挑む印として

僕には笑顔しかない
結局のところ
明日に挑むため


自由詩 flag Copyright マッドビースト 2007-02-26 00:23:02
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